品詞

助動詞は、話し手の「気持ち」を乗せる言葉です

can は「できる」、must は「しなければならない」、should は「すべきだ」。

こう覚えた方は多いと思います。間違いではありませんが、この覚え方だと使い分けで迷います。

助動詞は、動詞に話し手の気持ちを乗せるための言葉です。そう捉えると、一本の線で整理できます。

同じ出来事でも、気持ちで言い方が変わります

「彼が来る」という同じ出来事を、気持ちを変えて言ってみます。

文 話し手の気持ち
He comes. (いつも来る、という事実)
He will come. 来るだろう
He may come. 来るかもしれない
He must come. きっと来るに違いない
He should come. 来るはずだ

出来事は同じ「彼が来る」です。変わっているのは、話し手がどれくらい確信しているかだけです。

助動詞は、確信の強さの目盛り

強さの順番を、1本の線で覚えます

確信の強さは、だいたいこの順です。

may / might(50%くらい) → can(ありうる) → should(たぶん) → will(だろう) → must(間違いない)

must を「しなければならない」とだけ覚えていると、He must be tired.(彼は疲れているに違いない)が訳せません。must は「強い確信」の言葉で、それが義務の方向に向くと「しなければならない」になります。

義務の側も、同じ強さの線です

相手に何かをさせる方向でも、順番は同じです。

文 強さ
You may go. 行ってもよい(許可)
You can go. 行ける/行っていい
You should go. 行ったほうがいい(助言)
You must go. 行かなければならない(命令に近い)

should は「すべき」と訳すと強く響きますが、実際には助言くらいの温度です。医者が You should rest. と言うのは「休んだほうがいいですよ」であって、命令ではありません。

must と have to は、同じではありません

ここは試験でもよく問われます。

  • You must go. … 話し手がそう思っている
  • You have to go. … 状況がそうさせている

I must stop smoking.(やめなきゃ、と自分で思っている) I have to stop smoking.(医者に止められた、など外からの事情)

否定にすると、違いがさらにはっきりします。

  • You must not go. … 行ってはいけない(禁止)
  • You don't have to go. … 行かなくてよい(不要)

正反対の意味になります。 ここは丸暗記ではなく、「must は話し手の気持ち」と押さえておくと、自然に出てきます。

よくある勘違い

「can は能力だけ」 — 違います。It can be cold in May.(5月でも寒くなることがある)は、能力ではなく「ありうる」です。

「will は未来形」 — will は助動詞であって、未来を表す専用の形ではありません。That will be John.(あれはジョンだろう)のように、いまのことにも使います。

「should は命令」 — 助言です。命令したいなら must か、命令文を使います。

たしかめ

次の2文は、どう意味が違うでしょうか。 (A) You must be hungry. (B) You have to be hungry.

(A)は「お腹すいているでしょう」。話し手が強く推測しています。自然な英語です。

(B)は「お腹をすかせていなければならない」。状況がそれを要求している、という妙な意味になり、ふつう使いません。

must には推測の用法があり、have to にはない。この違いが出ています。

まとめ

  • 助動詞は、動詞に話し手の気持ちを乗せる言葉
  • may → can → should → will → must の順で確信が強くなる
  • must は「話し手の気持ち」、have to は「外からの事情」
  • 否定にすると、must not(禁止)と don't have to(不要)で正反対になる